習い事の講師と生徒のコーチング会話例

1、ティーチングとコーチングを取り入れて、生徒に自主性を持たせよう

習い事でも講師と生徒という立場上、どうしても講師が教えそれを生徒が聞く、受ける、という一方通行な授業になりがちです。

習い事での指導はもちろん技術や知識を教えることが仕事なので当然ティーチングが大切なのですが、子供は特に受け身で聞いていると自主性は出にくいでしょう。

自主性を持ち、習い事に対して「もっと上手くなりたい!」「〜ができるようになるぞ!」「〜を目標に頑張ろう!」と自身の目標に対して努力できるようにするには、講師からの良い質問やコーチング、フィードバックが重要!

なぜ習い事を始めたのか、どうなりたいのか、また上達するには毎日どうする?などと、習い事と向き合うための質問を行い、本人に考えさせる時間を取ることは習い事の時間を集中するためにも必要な時間と思います。

次に会話例を参考に生徒と話してみましょう。

2、生徒との会話例

レッスンの始め:例)ダンス教室の講師と生徒

<NG会話パターン>

先生「こんにちは!○○ちゃん!先週のレッスンでやったダンスの振り付けは練習してきたかな?」

生徒「こんにちは!先生!練習・・・ちょっとだけしました。」

先生「じゃあやってみてごらん!」

生徒「はい・・(踊る)」

先生「全然できてないよ!本当は練習してないんじゃないの?」

生徒「したけどわからなかった・・・」

先生「わからなかったらなんで聞かないの?レッスン中にちゃんと聞いて覚えて帰らなきゃ!じゃあ今日のレッスンで教えるからちゃんと覚えてね!」

生徒「はい・・・覚えます・・・」

先生が生徒の話を聞かず、一方的に話していますね。
生徒の練習をしたけどわからなかったというところも受け取っていません。
また練習をしたことも評価していません。
生徒は先生を信頼できるでしょうか?

次はコーチングを用いた会話例です。

<コーチングを用いた会話パターン>

先生「こんにちは!○○ちゃん!先週のレッスンでやったダンスの振り付けは練習してきたかな?」

生徒「こんにちは!先生!練習・・・ちょっとだけしました。」

先生「練習ちょっとでもできたんだね!!じゃあやってみてごらん!」

生徒「はい!(踊る)」

先生「ありがとう!できているところとまだ踊れてないところがあるみたいだけど、何か質問はあるかな?」

生徒「このステップの後の動きは手はどの向きですか??」

先生「そのあとは右に手を押して首は左に向けるよ!一緒にやってみようか!
そうそう!その調子!その他には自分で気になっていることあるかな?」

生徒「振りは覚えれたけど、曲と合わないところがあってどうしたらいいですか?」

先生「そうだね、後半の部分は少し曲より遅れて見えるから、リズムに合わせて踊るといいと思う!どうしたら良くなると思う?」

生徒「・・・音楽をしっかり聞く!かな?」

先生「そうだね!いつもレッスンの最初にリズムトレーニングをマスターすると踊っている時もリズムをしっかりキープできるかも!
さて、○○ちゃん今日のレッスンでの目標は何にする?」

生徒「リズムトレーニングをがんばる!音楽をしっかり聞いて踊るようにします!」

先生「良いね!ではそれを目標に集中してレッスン始めよう!!」

先生からの質問に生徒は答え、わからないところが解決できていますね。
また、先生が生徒を信じ自分で答えを出すように導いているので、生徒もやる気が出ているように感じます。
先生と話しやすくなることで気を使わず質問もでき、良い関係性が作れます。

レッスンの終わり:例)ダンス教室の講師と生徒

<NG会話パターン>

先生「〇〇ちゃん、今日のレッスンでやったところわかったかな?」

生徒「はい、わかりました!」

先生「自主練習してこれる?ちゃんと覚えたの?」

生徒「はい。」

先生「今週はできてなかったから来週までにちゃんとやってきてね!わかった?」

生徒「・・・わかりました。練習頑張ります・・・」

小学生だったり幼い子だとあるあるですが「わかった?」と聞くと「わかった」というけど、実際に何がわかったかわかってないケースも多々あります。

先生が練習してきてね!と一方的に言って、生徒は受け身なので、自主練習をしたい!という気持ちにはなってなさそうですね。

<コーチングを用いた会話パターン>

先生「〇〇ちゃん、今日のレッスンでやったところわかったかな?」

生徒「はい、わかりました!」

先生「今日の目標はリズムトレーニングを集中する、と音楽をしっかり聞いて踊る、だったけどどうだった?」

生徒「いつもよりは意識できた気がします!音楽はしっかり聞いてる時とそうじゃない時もあったような・・・」

先生「なるほど!確かにいつもより意識できていたように見えたよ!じゃあ来週までにできることはあるかな?」

生徒「振り付けの音楽をしっかり聞いて踊るように意識して練習します!あと、今日習ったところも覚えて踊りこみをしたいです!」

先生「良いね!来週のレッスンまで1週間だけど何をいつやろうか?」

生徒「えーっと、今日が木曜だから明日と土曜はスイミングと英語があるから、他の習い事がない日に踊り込みをします!音楽をしっかり聞くのは毎日できそうです。」

先生「なるほど!じゃあ踊り込みは習い事がない日に何分と時間を決めてやってみようか!来週やってみた結果を教えてね!」

生徒「はい!頑張ります!」

先生は質問しているだけですが、練習メニューや練習日程も生徒本人が決めることができました。
無理のない練習プランができ、また来週結果を教えてねと約束することで行動を促していますね!

3、講師の方へ

上の会話例を見て、ギクリとした方もいれば、いやいやそんな一人ひとりと話す暇なんてないよ!と仰られる方もいるでしょう。

グループレッスンの場合は特に一人ずつ話せる時間は限られていますよね。そういった場合は、全体に対して質問を行うだけでも結構変わるかと思います。

上記の質問を全員に対して行うことで生徒一人一人が「考える時間」が作られます。
どうしてもこちらが、こうしなさい、ああしなさいと言ってしまいがちですが、
生徒側は一方通行の指導を受け身で聞いているだけなので、生徒の中に残りません。

一人一人が自主性を持ち、習い事に取り組み、積極的に学ぶ姿勢があればクラス全体も良い雰囲気で授業を行えますし、個人の実力も自ずと上がっていくことと思います。

レッスンの最初と最後の5分程度でも、生徒のモチベーションを高める時間を作ることで生徒の集中力も上がるはずです。

生徒との信頼関係を築き唯一無二の素晴らしい指導者を目指してくださいね。

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